[Review]Baseball Riot

タイトル: Baseball Riot
開発元: 10tons Ltd
パブリッシャー: 10tons Ltd
リリース日: 2015年12月9日

そんなことより野球しようぜ

サンキューオッチ

人の顔めがけてボールを打つ野球があるか。ストーリーなどあってないようなものだが、主人公の Gabe Carpaccio が膝に球を受けてしまい現役を引退。その後所属チームの親会社がクソッタレなオクスリドリンクメーカーに変わったのを知り、バットを片手に潰しに向かうという話らしい。どうでもいいことだろう。

規定ショット内で敵を全て倒せ

簡単に言うと物理演算系パズルゲームで、プレイヤーに出来る行動は方向を決めて打つことのみ。強さの調節や必殺ショットのような代物は一切ない。基本ルールは3打で人間を全て倒すこと。各ステージには3つ☆が置いてあり、獲得数がクリア時の得点となる。またボールを余してクリアすることでも得点に加算される。

特殊能力のないおじさんが割と多い

敵キャラは基本的な「正面だけは耐えるやつ」「ミットさん」「1回耐えるやつ」と揃っているが、個性的なやつはいない。パズルする上で個性など不要というのはわかるが、もう少し捻りがあるのを特定のステージだけで、という感じにしても良かった。

大体クリアできた時はまぐれで超ハイスコアになる

クリア時には星の獲得数と残りのボール (ゴールデンボール) の個数がカウントされる。おそらく各ステージは par3 の設定になっていると思われるが、それを余した場合、画面左下のように追加ボールが発生した場合などで残りが生まれる。条件は詳しくわからないが、おそらく1ショットで3人以上仕留めたときにボーナスが貰えるようだ。もちろん先述の通り、あくまでボーナスなのでなくてもクリアはできるようになっているはず。

親方!空から人やタイヤが!

強く当てて上から人を落とす、オブジェクトを吹き飛ばして当てる、爆発物を利用して死?体を対岸に当てるなど、ボールを直接当てる以外にもいろいろなパターンで倒すことができ、これが後半大きな意味を持ってくる。というかこれ前提の配置が多くなってくる。

難易度曲線が雑

後半にありがちな「なんか全員吹っ飛んでクリアしてた」

序盤は本当に打って当てるだけのステージが続き、前の攻撃を防ぐアンパイアも「斜め上に当てて反射させて後頭部に当てる」「足元がお留守になってますよ」で大体対策がとれてしまう。そういう意味でも純粋なパズルとしては序盤がピーク。

狙って当てられた時は気持ちがいいが

中盤を過ぎると爆発物やガラス、あからさまに高台に配置された敵が多く出てくる。これはつまりここでぶっ飛ばして反対側の敵を処理して、その反動で落として下にいる敵を攻撃しろ、という一連の流れを達成するためのもの。露骨すぎてこれでいいのかと思うくらいにコンボが決まるのだが、そのコンボでボーナスボールが貰える手前、利用せざるを得ない。

「いかにも」すぎると開拓の余地が少なくて寂しい

そういう意味合いで後半になればなるほど「ステージをクリアするだけなら簡単」という状況になってしまう。余裕をもって追加ボールをゲットして、そのボールを使ってどのように星を確保するかという、クリアが目的じゃないというシチュエーションが発生しやすくなる。序盤のステージだとこれが解法だろうなという形でのストレートな星を集めつつクリアという形がよく見られるが、後半ほどごり押しである。

左が序盤で右が後半だが、右のほうが☆3が多かったりする

ゲームをクリアした状況でのマップ画面だが、クリアできなかったステージが2つある (エリア内の敵アイコンが残ったまま)。こういうものはおそらく日にちを変えて挑めばクリアはできるのだろうが、現状ではそのままにしてある。☆2以上のクリアなら割と容易い難易度だと思われるので、ああもう絶対に進めない (スコアが足りず空港に入って次のエリアに移動できない) というシチュエーションはほぼないだろう。そのあたりの匙加減は非常にうまく、クリアだけなら簡単、高得点が難しいという曲線になってはいるのは褒めポイントに値する。

次のエリアに行くには一定数のクリアが必要

変わり映えはしないが、熱中はできる

序盤は本当にこういう角度計算で当てて終わりみたいなステージなのに

後半に進むにつれ、こういう正攻法だろうという方向性ではないごり押しプレイも可能になってくるのが、飽きやすいこの手のゲームである意味理想的な形でマッチした逸品。微調整しながら繰り返すプレイも苦にならず、予想外のところでコンボが発生したりする突発的クリアも嬉しく感じられるし、おそらく製作者の意図だろうと思えるバシッとしたクリアもある。

完全ブラウザゲーレベルと思ってちょっと侮っていたが、実績コンプリートもなかなか歯応えがある内容なので、息抜きとしても、本格的にパズルアクションがやりたい人でもお勧めできる良作だ。

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