[Review]RICO: London

やる気の感じられないフォントが脱力を誘う

タイトル: RICO: London
ジャンル: アクション
開発元: Ground Shatter
パブリッシャー: Numskull Games
リリース日: 2021年9月10日

※コミュニティハブはR.I.C.O. 2: London名義の表記揺れ

短評

買うな

概要

• アーケードスタイルゲーム
• 沢山のゲームモード– ストーリー(イージー)、クラシック(ミディアム)、ハードコア(ハード)、デイリープレイ.
• 素晴らしいストーリーラインにピッタリな爽快ゲームプレイ
• ローカル、オンラインの両方で楽しめる刑事コンビシューター
• 様々な敵を倒して新しい武器を武器庫に追加していこう
• 一般人を救出して安全を確保しよう
• 武器、特性、ミッションなどを見つけてアンロック
• 常にアクション満載のゲームプレイ
• 沢山のストーリーが詰まったタワーを上っていこう
• 超カオスバトルをスローモーションでみよう
• トゥーンレンダリング・グラフィックスノーベル・アートスタイル

武器取引の現場に乗り込むバディ(1Pが女性)

ストアページで列挙されてるものをそのまま持ち出してきた。協力して遊べるFPSなのだが一人プレイでミッションをクリアしてからのレビューとなる。

カートゥーン調のグラフィックと書き文字がオシャレ

簡単に表現すると各部屋をクリアしていく連続CQBゲームとなる。部屋に突入する際にスローモーションが発動するので、急襲・制圧という流れをじっくり体験できる。敵に当たったリアクションもわかりやすく、スロー時間を利用してどんどん進めると右上のマルチプライヤーが上がって行き、どんどんスコアを稼ぐことができる。このスコアはステージクリア時にアイテムを購入するためのメダルに換算されるので、基本的には高い方がいいといえばいい。じっくり慎重に進めればダメージを受けず、回復アイテムを買わなくても済むかもしれない、というトレードオフになってくるのでどちらがいいかはプレースタイル次第。

見つけにくいので隅々まで探す必要があるうえ、無いことも多い

マップ生成がランダムらしいので、欲しいところでほしいアイテムが落ちていないというのはよくあることだが、手に入ると本当に楽になる。好きな武器を使っているときに弾薬パックを手に入れると長く使えるので、モチベーションも違う。

充実の品揃え

ステージ間ではアイテムを購入できる。注射器はほぼ必須と言っていいアイテムで、ライフが0になったときに死ぬまでの猶予時間で使える復活アイテム。その間に撃たれまくったりすると死ぬが、敵のダメージが大きめのこのゲームではまずこれを買いたい。スコアが低いとアイテムを買うのは1個までとなりがちだが、基本的には道中にほとんど出てこない回復系を買っておきたい。

途中からショットガンが猛威を振るう

武器はメインのライフル・ショットガン系とハンドガンなどのセカンダリ武器の2つを持つ。自分と相手のダメージは大きめなので、頭をきっちり狙えばハンドガンだけでも十分クリアはできる。基本的には反動の少な目のカービンやサブマシンガンを使いたくなるが、それはステージ内の敵のメイン武器に大きく左右される。武器は基本的に現地調達なので、弾が無くなったら捨てる前提でどんどん持ち替えていくことになる。

誇大広告

まずストアページに書いてあることが大体嘘に感じられる。仮に実現できていてもそんなにでもないという問題もあるが、書いてることくらいはやれと言いたい。

そうだっけ?と感じられる点

倉庫やカジノと同じフロアにゴージャスなペントハウスがある可能性

危険ギャングのタワーで上に行けば行くほど、と書かれているが、部屋はほぼ真横につながっていて、ステージの区切りがこの非常階段のようなエリア。なので上へ上へという感覚は遊んでいて一切ない。しかしこの程度は些細な事。敵も上層部なら強いというものでもないが問題ではない。

今作では謳っていないのでどう評価するか迷うが、マップの作りはランダム性があるらしい。ノーマルとイージーでプレイしたときは確かに形が違ったし、アイテムや敵配置も違うことはわかるのだが、ステージの順序は固定なのとステージごとに背景や配置家具が決まっているので、違う印象にならない。そしてここが一番重要な点で、ノーマルモードで死ぬとステージ頭からやり直しができるのだが、その際ステージレイアウトと敵の配置が全く同じなので、一度苦手な配置を引くと同じ配置を行ったり来たりする可能性が若干出てくる。ダイナミックにランダム生成しない問題点でもあり、ある意味では利点でもあるのだが、あまりメリットは感じられない。

収集要素ではないのでどうでもよくなりがち

「武器庫を上手く利用して、タスクに合わせた武器を選び、敵を倒しながら前進せよ。」そんなシステムは存在しない。敵を倒すと何らかの武器を必ず落とすし、同種の弾を使う武器を拾うと弾薬が増えるので、それを持ち替えて戦うということはできる。しかし武器庫なんていうシステムはない。前述のステージ間で武器を買うというのは要するに地雷行為。そのステージでその弾薬がなければすぐに捨てることになる。めちゃくちゃ強いということもない。選べるシステムがあればこういういろんなスキンの武器も収集する価値が出ると思うのだが。

武器や特性などのアンロックは何一つない。あたかもあるという宣伝は問題だと思うし、「そのステージに登場する弾を使う武器を持たないと弾が足りない」システムな以上、効果が少なくてもいいから弾薬パックが出やすくなったりする特性はあってもいいと思う。アップグレードショップも基本的に一つか二つ買えればせいぜいで、ランダムで2種しか出てこないため狙ったものは買えない。回復量アップやステージ間で弾が貰えるやつは欲しいタイミングがそこじゃない。全要素が絶妙に噛み合ってない印象で、メダルを残しても別にボーナスは出ない。ないものと考えても問題ない程度に空気。買わなくてもメリットのある特性が得られるとかのシステムは欲しかった。

せっかくのフィーチャー要素が

片方から突破する方が安全だが見栄え重視は両方

ドアを蹴破るというのがフィーチャーされているのだが、あまりプラスに働かない。ある意味ゲーム的な罠に近い要素になってしまっていて、しない方が難易度は下がると思われる。普通にドアを開けるという選択肢がなく、蹴り以外はダッシュでドアに突っ込んで普通に開けるか、スライディングで突っ込むかしかない。スライディングは思ったところに止まれないことが多く、敵の真ん中で敵を視認できない状況になりがちなのでお勧めはしない。二人プレイなら見栄え重視でスライディングや飛び込みはありかもしれない。

律儀に真ん中から突っ込む

まず蹴る瞬間に強制的にドアの前の真ん中、微妙に距離があるところに移動させられる。いくら斜めの見えづらそうな場所から侵入しようとしても、蹴破ることを選択した時点で真正面から突撃しなくてはならないので、見た目がいいとか操作が楽程度のメリットしかない。片方だけ蹴破ることもできるが、どうせ視認できなければ敵に身をさらすしかないので、スローモーション時間を無駄にする可能性も考慮しなければならない。

動ける頃にはもう敵は構えている

蹴破ったら先手を取れると思ったらそんなこともない。敵どこかなーと動かしていると既に撃たれていることが多い。奥まった場所にいるなら先手を取れるが、部屋構造は入るまでわからないので、あまり価値のある行動にならない。敵がびっくりするとか隠れようとするとかしてくれるならよかったと思う。ついでに言うと隣の部屋でドアをバーンとする音と銃声と悲鳴が上がるような状況で、ガサ入れというシチュエーションなのに開けられるまでのほほんとしている敵たちもどうかと思う。ちなみにだが各所のレビューを読むと「部屋の入口は1個しかないので前後のドアから同時に突入みたいなシチュエーションは存在しない」そうだ。枝分かれは若干あるが片方は行き止まりにつながるのでほぼリニア進行となり、協力プレイの意味があんまりないともっぱらの評判。

武器取引の現場でなぜ人質が発生するのかはわからない

あとはマイナスにならないから問題ないといえばそれまでだが、人質を間違えてうっかり倒してしまっても何の問題もない。というよりプラス要素が何一つないのでまとめて処理したほうが早い。未発見で捕まったままの人質がいると次のエリアに進めないので、すべての部屋を開けて人質をどうにか処理しなければならないため、手間を考えると多分大半のプレイヤーがなぎ倒していると思う。リザルトや救出後にボーナスとか回復アイテムを貰えるとかのシステムにはできなかったのか。ついでにどうでもいいことだが、人質を撃ってしまって倒れ、手元がフリーになった敵キャラはTポーズを一瞬取る。取って付けた感のある要素丸出しである。

プレイ感は悪くないだけに

カジュアルシューターとしてはそれなりの出来

目視で弾を避けられるスローモーションで超人っぽいプレイを楽しんだりもできるし、全体的な射撃感も悪くなく、敵のリアクションもギャグ調でオーバーすぎる吹っ飛び方だが当てた感はちゃんとある。敵のダメージも大きめで、突っ込むか引くかの選択や武器のチョイスなどもその場その場で結構シビアなバランス。それだけに薄味すぎるこのゲーム内容はちょっといただけない。

というかそれ以前の問題として、ゲーム部分が短すぎる上にやることが無さすぎるという点がのしかかる。何せGG.dealsのゲームクリアまでの時間の表記がこんなレベルである。

コマンドーより短い

何しろできるモードがメインストーリー(easy/normal)とデイリーチャレンジ(ステージを連続でプレイしてスコアを競う)しかなく、箇条書きの販売ページの難易度設定すら実現できてない。自分がクリアしたときの状況では、ノーマルでショットガンが多く出てくるエリアとラストで何度か死んでやり直したが、それ抜きで1時間半程度。イージーでもう一度プレイしたらほぼノーミスで1時間を切った。リプレイ性は先述の通り特にないので、これを周回する人はよっぽどこのゲームが好きな人か、ランキング上位に入れるゲームを探している人くらいのもの。

投擲武器や近接攻撃はもう存在を忘れてた

これが3600円(35ドル)という強気価格で売られているのが絶対おかしい。Fanaticalのバンドルで1本100円ほどで買った中の1本だが、その値段ならカジュアルFPSとして悪くないかなという感じ。これの前作も最安値100円程度なので、どちらもその程度ならあり。2本で6000円弱は無理。短評はこういう理由からである。値段設定がおかしくてボリュームがないだけでクソゲーではない。そこは強調する。ただ、各所のレビューを見ていて、「これは続編じゃなくてスコアアタック用のDLCなんじゃないの」という意見が多分的確なんだと思う。そうなると、スコア表記とステージ内での武器チョイスが重要という点、割と死にやすいバランスというのはすごくよくわかる。価格だけはわからんが。

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