タイトル: Catlateral Damage (にゃんこラテラル・ダメージ)
開発元: Chris Chung, Fire Hose Games
パブリッシャー: Chris Chung
リリース日: 2015年5月27日
ゲーム内容
理由があったりなかったりするが、とにかくむしゃくしゃしたにゃんこが部屋の中のものを自慢の肉球拳で地面にたたき落としていく破壊系ゲーム。手当たり次第に部屋の中の本や DVD、ゲーム機や食器などをバッシバシ落としていき、目標数落としたらおやすみしてステージクリアとなる。
操作方法は一般的なFPSと同等でWASD移動にジャンプ、左右クリックでネコパンチ。左クリックなら左から振るうので右にモノを落とすときに有効、という差異があるため、状況によって使い分けることでスムーズなストレス発散ができる。ちなみに書かれていないがQで左ストレート、Eで右ストレート的なネコパンチが繰り出せる。Fで鳴くことができ、さらにオブジェクトを掴むこともできるので、押し出せない台所のシンクの内部のモノなどを掴んで引っ張り出すことも可能。
ステージ上のオブジェクトは地面に落とすことでポイントが入り、そのポイントは基本的に1だが、物によっては2点が入ったり、マップ次第では10点などが入る一点ものが用意されている場合も。ここでは160個と書かれているが、2点入るモノを落とせば2個分落としたことになるので、合計点数を指している。ステージ開始時にボーナス的な高得点のオブジェクトが決定され、普段は2点のものが3点になっていたり、場合によっては元々1点で割とたくさんあるモノが20点などというヤケクソな数値になっていることも。オマケと書かれているものは目標数落とすことでアップグレードアイテムがひとつ貰える。詳しいスコア基準はわからないが、おそらくこのオマケもクリア時のボーナス点に関係している気がする…のでボーナス目的でなくてもどんどん落としていこう。
ステージ中に置いてある遊具(光っているもの)を数回パンチするとパワーアップアイテムが手に入り、ジャンプ力や移動速度、ネコパンチの強さ(繰り出しの速さ)が上がる。通常ステージにはせいぜい4・5個しか存在していないが、ステージ内に置かれている特定のアイテムを落とすとチャレンジできる、エクストラステージには大量のアイテムが置かれているので、能力を上げるためにもマップ探索が非常に重要になってくる。
ストレス発散の破壊ゲームと思いきや
基本的な部分は置いてあるモノを破壊キャッツ!で終わる、いかにもスッキリしそうなゲームに見えるのだが、個人的な感想としてはそこまででもないと感じる。もちろんキレイに並んだ本棚や食器の置かれたテーブルをばちこーんと殴ってガシャアとぶっ壊れるのは楽しいのだが、そういう楽しみを阻害してくるような仕組みがちらほらと散見されるので、どうしてもそちらに気が行ってしまうのである。
理由の一つがこういうシチュエーション。静止画ではわかりづらいが、「上にある本棚から落としたモノがベッドの上に落ち、地面に落ちていないので得点に換算されていない」というもの。配置にもよるのだが、ソファやベッドなどがある寝室、パソコンの前の椅子などによくモノが引っかかるため、バシーンと引っぱたきたいのに方向や角度、強さなどを考えながら落とさなくてはならないシチュエーションがたまにやってくる。基本的にステージクリアのノルマに余裕を持って配置されるのだが、配置はランダム部分も多くあるので、ギリギリな時はこういう落とし損ねたものを一つ一つ落としていかなければならないことも。猫の能力が低いステージ1などでジャンプが届かないところに配置されるものが多いときなど、結構厳しい場合もあるので、そこがまずイライラポイント。
もう一つがパワーアップシステムに絡むもの。前述のようにジャンプ力が足りないと届かないところは、ノルマに余裕があれば無視しても構わない。しかし、逆に「パワーアップしすぎて吹き飛ばしすぎる」「速度やジャンプ力が高すぎて繊細な操作がしづらい」というケースが存在してしまっている。本棚の中にあった本を飛ばしたらソファの上に落ち、改めてソファから飛ばしたら本棚の下の段に入るなど、強すぎることが逆に災いするケースでは、先っちょに当ててちょい押しや前進しての押し出しなど、飛ばしすぎない工夫が必要になってくる。
そして上図のような本棚が典型的だが、「ギリギリに立ってジャンプし、空中で制御して上の段に乗る」という意外に繊細な操作が要求される。大き目の本棚なら問題ないのだが、最終ステージによく出てくる段の小さい本棚や、テレビ台の下のゾーンなどに入る際には、ジャンプ力やスピードが高すぎると入りづらいというデメリットが発生する。また食器棚は非常に難儀するので、せっかくスッキリしたいのにイライラする羽目になりたくなければ、そのあたりは避けながらプレイするのが無難だろう。
割とガチな人でもいける
総合するとそんな感じになるかもしれない。ハイスコアを取ろうと思えば意外とストイックなプレイを要求されるし、ステージのバリエーションも多くやり込みで言うと結構ボリュームはある。ただ猫がかわいいというだけでも十分プレイする意欲は湧いてくるし、適当に遊ぶだけなら自分の感じた欠点部分はほぼ気にならないと言ってもいいので、間口が広くそれなりに奥が深い。ただ、やり込もうとすると気になってくる点があるので、どうせやるなら本格的にやるか、ちょっとだけかという感じで力を抜く感じがいいと思う。
割と文句ばっかり言ってしまった気もするが、自分は結構真剣にやりこんで4844点(Global rank #119)まで上り詰めたんで、ドはまりしていると言える。それだけのポテンシャルは十分にあるゲームなので、猫になりきりたい人などにはお勧め。少なくともレンガやフラフープより楽しめる。どうすれば高得点が取れるんだろうとか考え始めたらもうこのゲームの虜。
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