タイトル: Secret of the Magic Crystals
ジャンル: カジュアル, インディー
開発元: Artery Games
パブリッシャー: Artery Games
リリース日: 2010年2月4日
概要
地球に襲来した隕石に含まれるクリスタルが、馬の能力に影響を及ぼしているのではないか?という学説を唱えた人の夢を実現するために、牧場を経営しつつ馬を育て、クリスタルを5つ集めろと言われるところからスタート。
馬を調教し、厩舎の内装を豪華にして能力ボーナスを得、蹄鉄やポーションでドーピング能力向上させていき、レースに勝てるような馬を作る。そしてその馬を交配させてランクの高い馬を作り~という項目を繰り返し、レベル5の馬でクエストをこなすことでクリスタルを手に入れるまで行う。
ゲームの具体的な進行内容
さらっと前項目で各馬での流れを紹介したが、「ゲーム内で出来る項目ほぼ全て」を網羅したことになる。冗談でなく本当にこの程度しかないが、繰り返し回数が半端じゃないのでプレイ時間はそこそこにかかる。
馬種ごとの特性 | とくになし |
馬の寿命 | なし。病死や事故死もなし |
トレーニング | 2種2回+足りない能力分追加でほぼ全カンスト |
蹄鉄・薬 | 特に使わなくても勝てる |
レース | 能力最高で体調がよければ大体勝てるし何度でも出られる |
クエスト | 毎回成功するので各種1回終わったら儲かるものだけでOK |
まずトレーニング数回で能力を高める。1セクションに(馬のレベル)個数分タイミングよく十字キーを押す音楽ゲームのようなイベントをクリアして、ほとんどをgood~perfectでクリアすればあっという間に限界まで育つ。仮にあなたが全く得意ではなくても、寿命やレースに出られなくなる時期を迎えることもないので、何回とやっていればいつかは最大値を迎える。
能力を高めたらレースをするが、介入する要素はない。なんか文字で出てくる「何位になったー順位が落ちているー前に出たー」とかいうものを追っかけて最終的にどうなったかを表示して終わり。シンプルである。きっと複数の馬を同時に出す処理能力が無かったのだろう。それはさておき、このレースが基本的には一番の収入源となる。レースごとの賞金ももちろんだし、各馬が最初に5種制覇したときにボーナス資金が貰えるので、特に序盤の金欠の時にはこなしておきたい。
クエストは隣町に何々を届けるとか、そういったものを字で追うこともなく時間が経ったら帰ってくるだけの味気ないもの。おそらくこちらは能力関係なくこなせる代わりに、体力が低いときにクエストをこなすと病気になって帰ってくるというリスクが設定されているのだろう。こちらも馬を売る以外のすべてをこなすとボーナスが貰える。あと馬を処分する項目がここにしかなく、「病気でない状態の馬」にしないと売ることができないので注意。あと「病気でもクエストは通常通りこなせる」。
蹄鉄と薬はクエストで拾ってきたアイテムを施設で錬成する。このレシピは金で購入することも可能だが、適当にいれて成功していればそれでも大丈夫だし、ネットで探してきてもいい。投入するとタイミングゲームが始まるので、いい成績を残していい蹄鉄(薬)を作るにもひと手間かかる。作ったら「金敷の上の蹄鉄をクリックして馬の蹄の上で再度クリック」という謎のワンステップを求められる。必須ではないのであまり利用されない機能だと思う。
ブリーディングはゲーム中1馬1回だけ許される設定で、同レベルの馬を指定するとランクが一つ上の馬が誕生する。二度はできないので、ランクを一つ上げるために最初は2頭で済むが、だんだん倍々ゲームで必要な馬の頭数が増え、作業化する。能力を高めた状態なら配合して大丈夫らしいのだが、資金的に厳しいゲームなのでとにかくレースに出してから、となるとどんどん時間を食っていくゲームとなっていく。あくまで目標を達成するなら、だが。
底の浅さと闇・業の深さ
びっくりするくらいに底が浅いので、もはや語ることがほとんどないのだが、このゲームを効率的にプレイしようとするとどうなるのか、心の闇に支配されたプレイヤーはどうするのかというところを紹介していく。
まず配合可能な馬は病気になってしまうと治療にムダ金を使うことになるので、調教が終わったらレース漬けになる。この画面の状態だとレベル3の馬と配合するためにレベル3の馬を作るレベル2の馬を用意する前段階である。レベル1の馬を配合する準備が整うまでの間、他の馬を遊ばせておくのは勿体ないので、レベル3の馬はレース漬け、レベル1もとりあえず一通り制覇するまでレースをする。配合が終わった馬は利用価値がないので、クエストで素材を稼がせつつ資金を稼ぐことに終始する。途中で治してもまた病気になって治療にお金がかかるので病気にはかかりっぱなしになってもらう。もちろん他の馬に病気をうつしたり自然に治ったり重症化したりは一切ないので安心。
いくらうなだれてようが、体調が悪かろうとクエストに送り出せるなら問題ない。いくら成功率が変わらないと言ってもこういうプレイが出来てしまうこと自体問題のような気もするが、何百頭と馬を買って、施設もグレードアップしなければ先に進めないので、大なり小なりこういうプレイをせざるを得ない。そして稼ぎ終わって厩舎を開ける必要が生じたら治療して、クエストの馬売却を選んでポイというもう完全に使い捨てのようなプレイになる。繰り返すようだが、通常プレイの範疇で選ばなければならない選択肢なので、プレイヤーに非は無い…これでも。
建物のレベルを上げるとレベル2の馬を購入できるようになり、ワンクッションが不要になるが、やることは全く変わらない。むしろ調教のレベル4などは矢印のまとまりが増えて難易度というか面倒くささが上がってくる。楽しいかなーと思うのは本当に超序盤だけだと思う。
賽の河原のようなゲームっぽい何かを楽しみたい人や馬を見てたら絶頂できるくらいの人なら、闇を感じる前に楽しめるかもしれない。本当にびっくりするくらい底が浅いので、もし自分がゲームを作ってこれと比較して自分の作品のほうが奥が深いなーと感じられたら、それは十分に良作の可能性を秘めている…と判断できるベンチマークソフトのようなものだと思えば腹は立たない。いや決してクソゲーとか作りかけとかそういう意味でもなく、虚無ゲーに近いような、仕様通り作られてるのに薄いプロゴルファー猿のような浅さに近いかもしれない。
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