カードの素性や外観等々は前エントリで終えたので、今回は実際の作業の中身と導入したソフトなんかの話に移っていく。
載せ換え作業といっても
- 現在のドライバを削除する
- 電源を落としカードを載せかえる
- ドライバをインストール
- その他ツールなど必要があればインストール
- 念のため一度再起動
で終わる。
ドライバの削除に関しては、今回は AMD (ATI) から AMD への乗せ変えのため、AMD 純正のドライバ削除ツールを用いた。他社製の場合はその削除用ツールを用意するか、Driver Fusion のようなツールを使用してもいいと思われる。自分とこのやつだぞちゃんと消せるのかと多少疑問に思うこともあるが、わりと不具合を起こすポイントなので、どんな手段を用いてもいいのできれいにしておきたい。Geforce⇔RADEON などの場合は特に。
削除を終えたら画面解像度等がグッチャグチャになると思われるが、気にせず電源を落とし、粗熱を取ってからケースから外し、載せ変えていく。「元々挿さっていた箇所に挿す」だけなので、このときには特に注意は必要ないだろう。
交換したら起動し、ダウンロードしておいたドライバをインストールしていく。最新版が基本的に安定…と思いきや、その限りではないので、ネット上でいろいろと安定しているバージョンを調べるか、新カードの場合は付属のディスクのドライバが一番良かったりもする。RX480 については16.7.2~16.7.3 (WQHL16.7.2 July19) と書かれているものが比較的安定しているようだ。それ以降は、メモリのオーバークロックの設定に制限がかかっていたり、環境によってスリープ復帰後のブラックアウトなどの問題が報告されているようなので、あまり最新のものを選ぶメリットはない。ということなので、私は上記のドライバをインストールすることにした。インストールが終わると、今までのように正しい解像度で表示されるようになる。
そのほかに何か必要なツールなどがあるかなーと思ったが、Crimson Edition にはグローバル設定の項目から Wattman というクロックやファンスピードなどを弄れる設定画面が開けるので、特に必要もなさそうだ。別途必要なものがある人向け。
そして再起動をかけたら晴れて新しい環境でグラフィックカードが使えるようになる。
Wattman
ゲームタブ→グローバル設定→グローバル WattMan という階層にあるのでちょっとわかりづらいが、設定画面に入れば明解。
- 電圧設定 (GPUクロック設定に影響)
- メモリクロック設定
- Fan 速度設定
- 温度目標設定
が行える。
基本的にはデフォルト設定で問題ないとは思われるが、AMD の製品は電圧を盛りすぎる傾向にあり、RX480 などもその例に漏れず、しっかりと持ってきているので下げたほうが無難という意見が多い。場合によっては「電圧を下げたほうがクロックが安定してパフォーマンスが出る」と言われる始末であり、下げすぎるともちろん性能も落ちるだろうが、多少下げることによって電力・発熱を抑え、性能もアップする可能性があるなら下げるに越したことはない。デフォルトでは最大 1150mV 程度になっているのだが、うちの ASIC74.3% の個体は 1060mV の設定に下げて普通のゲームなら問題なく動いている。ベンチ完走などはわからないが、3桁まで下げる等の極端な運用をしなければおそらく問題ないだろう。
メモリ設定は最新ドライバなどでは 2050MHz までしか上がらないらしいが、このバージョンでは 2250MHz まで上昇させられる。あまり上げても仕方ないので今のところはデフォルト運用をしているが、ベンチ結果などで納得がいかなければ上げてもいいだろう。ブーストクロックの調整よりも、メモリクロック上昇のほうがパフォーマンスに大きく影響するらしいので、電圧を下げてメモリクロックを上げるとパフォーマンスが上がって消費電力も相殺されるはず。
ファン速度、温度設定は環境にもよりけりなので、なんともいえないところはあるが、この Wattman 設定で、適当に設定を上げてゲームをし続けた場合、「およそ75度くらいで 2200rpm くらい」となるので、設定はしっかりと生きているようだ。もちろんターゲット設定を引き上げればもう少しファンはゆるゆると回るし、設定をきつくすればその温度に抑えるためにファンが回ることとなる。おおむね2000回転くらいから回ってるなーとわかるくらいになり、少なくとも HD5850 のリファレンスよりはちょっと音は大きめで熱い空気が出てきていると感じる。もちろん旧モデルより高負荷に耐えられるだろうと無理に設定を上げたりしている節もあるが、このあたりの熱部分については多少高めだという認識のもと、設定を弄ったりケースファンを向けたりと考えた方がいいとは思う。
ただし、熱は持つが負荷をかけるのをやめるとすぐに冷えていくので、廃熱がしっかりしていれば何も問題は無い。なのでオリファンモデル等々のツインファンでしっかり冷やすモデルならかなり素性がいいと思われる。あとはケースファンをカードの吸気側に当てるなど、エアフローも考慮すればリファレンスでも十分冷えるだろう。リファレンスは終息するようなのでそもそも考慮しなくても良いとも言えるのだが、市場在庫が結構値下がっているので、これを選ぶ人もいるだろうとは思われる。
ゲームを起動しないときなどは、マルチモニタで電圧が最低まで下がってくれないという難点はあるものの、動画を見ながら2画面で色々作業をしても 30w 程度で、1000回転の55度。ゲームを起動してプレイしている場合でも負荷をかけて80度には行かず75度くらい、GPU-Z読みで電力も60~80w、高いときで 100w ちょっと行くかどうかくらいの表示になっているので、6pin 1本の名に恥じない数値ではあるはず。ワットチェッカーなどは持ってないので、この表示を信用することにする。
フルスクリーンのゲーム中には撮りにくいので終わってからキャプチャしたので、通常時の表示に近いが、GPU ロードが切れたあたりでやめたと見てもらうと、そこあたりを境目にして見えてくることとして、
- ゲーム中はブーストクロックで張り付き
- ゲームが終わったら温度がすぐに下がっている
- ファン回転数も比較的高いゾーンからすぐに冷えるので戻る
消費電力が計測のバグで6桁とかになった部分があり、グラフがとんでもないことになってしまったのだが、まだ 150w とかの表示は見たことが無いので、60~120w くらいで収まるのは間違いないはず。
載せ換え対象としては申し分なし
以前のがショボかったというべきか、少なくとも GCN 以前のモデルを使ってる人なら文句なしとかいうレベルじゃない。
消費電力も抑えめでまだ使ってないが動画の Fluid Motion 機能など、さまざまなフィーチャーがあるので、それらを加味するともっと良くなる。
個人的にはゲーム中にプレイをキャプチャしてもあまり動作に影響がなかったりするあたりが、ある意味一番の気に入りポイントかもしれない。
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