[雑記]Serious Difficulty

Serious Sam シリーズにおいて難易度は以下の6種。

  1. Tourist
  2. Easy
  3. Normal
  4. Hard
  5. Serious
  6. Mental

基本的にはシリーズ通して同じ設定が使われているが、コンシューマ対応等が考えられていた SeriousSam2 や、コンシューマ版の NextEncounter、Double D 等の別作品は異なる場合がある。

Normal が基準だが他の FPS に比べると比較的難しいとされていて、Easy と Normal の間くらいがおそらく普通なら Normal といわれる感覚に近い。

  • Tourist
    • HP とアーマーの最大値、弾薬の所持数が倍。自爆しない
    • 敵の出現数が減少、スピードやダメージも減少。
  • Easy
    • 自動回復しないちょっと難しい Tourist
  • Normal
    • ここから自分の爆発物でダメージを受けるため、ロケットジャンプによるショートカットが可能
  • Hard
    • 敵の出現数・スピードがアップ。ダメージが1.5倍に
  • Serious
    • 敵の出現数が飛躍的にアップ。スピードも速く、攻撃頻度も高い。ダメージは2.5倍
    • 3 (BFE) 以外では弾薬が倍、3では等倍。
  • Mental

とおおまかにはこういう傾向になっており、TFE (The First Encounter) や TSE (The Second Encounter) においては「Serious よりもむしろ弾が少ない Hard のほうが難しい」と評されることもあった。確かに敵の出現量が半端ではなく、攻撃も激しい Serious だが、強い武器を好きなように撃てるので、アクションが得意な人や出現ポイントを把握している人なら敵が増えてもプレイスタイルはさほど変わらない。もちろん様々な敵が背後からも湧いてくるために、知っていても辛いシチュエーションもあるが、敵の「的」としての性能はスピード以外変わらないので、この敵にはこの武器という対策が Normal と同じなのだ。

Mental 難易度に関しては敵が半透明な Hard なので、ここでは省略する。

そして筆者が Serious でプレイ経験が豊富ではなく、実は 3(BFE) での弾薬が据え置きという設定に気づいていなかった。あくまで「イメージ」ということで以下を読んで頂きたい。

 

今までと全く違う感触

という前提を踏まえて、冷静になってしまうとどうでもよくなった Serious Sam’s Bogus Detour の Serious 難易度をチェックしてみよう。

まず敵の性能が段違いになる。この辺からすでに違う。

  • オークの分隊長がビーム・ロケットランチャー・地雷を発射する
  • 敵の射撃が移動位置を予測するようになる(本家のLava Golemのような)
  • Bull が移動中無敵になる
  • Kleer の骨ブーメランが追尾性能を持つ
  • Major Biomechanoid のロケット弾が跳弾し、着弾時炸裂する

もうヤケクソな設定になってしまっている。そのせいで敵にビクビクしながらちょっと出現させては引いて、引いたら遠距離で攻撃を当て逃げするようなスタイルを強要される。もちろん敵の出現数も上がっているし、耐久力も上がっているので、Normal での作戦はまるで通用しないと言っていい。集団で出てくるところでタイミングを逃すと攻撃できないという設定や、攻撃パターンの変化により立ち回り自体変わってくるのは今までで例がない。

これで弾薬が豊富にあれば文句も少なかっただろうが、「HPも弾薬も半分」というこれまたヤケクソな仕様になってしまっている。そのため、「敵の集団をひとつ倒したら弾が切れた」「1発で死んだ」などはもちろん、「ピストルで集団を倒し切る羽目になった」ということも少なくない。ピストルを育てると強いというより、所持弾数を増やす Perk を上げても元が低すぎてあまり役に立たず、無限のピストルを強化して戦わざるを得ないことになる。本家では狙撃に使えた Devastator なども画面内にしか届かないので、武器の使い分けができるシチュエーションにも乏しい。画面ギリギリまで届く Minigun や Laser などをメインにしたくなるが、前述の弾がない現象でそうそう使えない。ロケットランチャーなどは弾が少なすぎて集団すら倒せない。そしてさらに経験値も乏しく、能力アップのための要求 Star も高いという徹底ぶりなので、ピストル以外に回すにはシークレットを全部回らないと本当に難しい。

ある意味では「すべての武器を使わないといけない」ので、捨て武器が少ないというのはメリットにすら思える。そう思わないとやっていけない。

それからHPが少ないというのもかなり問題で、レビューの項でも触れたが地雷2発で死ねるのと、溶岩などで着火したときに、1度でほぼ瀕死まで追い込まれる。ロケット等でダメージを受けると同時に着火などになると、耐えきれず死ぬので着弾=死なのである。着火ダメージも高くなっていて、最大値が50なのに5ずつ減っていくとはさすがにびっくりだ。

残機無限、自動回復というヌルい設定で遊んでいるにも関わらずこれだけ目につくのだから、弄らずにそのまま遊んでクリアするやつは変態か何かだと思う。初期残機も0なので、事実上ロケット1発でゲームオーバーという状況なのだ。マルチプレイ前提で残機や弾薬を絞ったのならまだ意図は理解できるが、それでも弾薬が少ない中で高難易度を楽しめるかというと疑問は残る。本家の高難易度はある意味でお祭り感が出るので人数が増えても面白かったがこちらはどうだろう、と言わざるを得ない。

何度も言うが既存マップや設定がイマイチなだけで、本家に準じた弾薬2倍、面白いカスタムマップ等でプレイ出来たら面白い可能性はある。のだが現状ではなんか違うという印象にとどまってしまうというだけである。

本家も追従している?

と思ったら本家 Sam の Fusion にて、3の難易度調整として Serious 難易度において攻撃が多様化。Kleer の鉄球が偏差射撃になっていたり、Scrapjack がロケット以外に地雷のような球をばらまくようになった。元の設定からの弾が倍ではないというところも相まって、今後はこういう調整になるのかと思わされた。もちろんそれがいい悪いというわけではないし、無敵時間などがあるわけでもないのでプレイ感は変化がない。TFE のクラシック版などではピストルの遠距離狙撃やリロードキャンセル等のテクニックもあり、ピストルで弾を節約するどころか、メインにピストルとナイフを使っていたということもあるので、弾薬の節約などは初期からあるプレイではある。しかし「弾が足りないので仕方なくこれを使う」という傾向のものではなかったので、少なくともシングルキャンペーンの既存マップではそういうことが起こらないよう調整してもらいたい。

しかしプレイしている感覚は変わってないように感じていたが、実際に調べてみると作品ごとに調整が微妙に違ったり、作品中でもパッチによって変化していたりで、思ったよりシリーズ通してという設定が無かったことに驚いた(言い訳)。しかし自分にとっては初代 TFE の Serious 難易度のイメージがこびりついているため、そういうもんだと思い込んでしまっているのは間違いない。たとえ違っても、そういうことである。

「今までになかった」と捉えるか「今までと違う」と捉えるかという違いもあるが、2D の別ゲームなので全く新しいものを作るアプローチは間違ってはいないと思う。ただ調整を間違えたという印象は否めない。という総括になるか。

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