[Review]Bedlam

タイトル: Bedlam
開発元: RedBedlam
パブリッシャー: KISS ltd
リリース日: 2015年10月13日

 

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※EA版のタイトル画面

Christopher Brookmyre 氏の小説を基に作られた FPS。脳細胞のスキャン実験に協力した Heather Quinn (Athena) が、昔遊んでいたゲーム「Starfire」の世界に入りたいと思っていたことを読み取られ、そしてその世界に実際に入り込んでいることに気がつく。何の説明もなく、バックアップや残機もない恐ろしい世界に入り込んでしまった彼女は、ゲーム世界からの脱出を試みる。

 

過去のゲームに詳しい人にはアリ

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まず開幕がどうみても Quake2。もしくは Unreal 直前くらいまでの雰囲気。過去のゲームを追体験していくので、世代があれこれ順序することもあるが、基本的に古いどこかで見たようなゲームの世界を遊ぶことができる。武器の効果音やグラフィックも当時風なので、ゲームプレイの感覚は異なることもあるが、雰囲気はバッチリ再現できている。

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Quake3 のようなデスマッチがいきなり始まる。フワーッと重力の少ないプラットフォームで熱いバトルを繰り広げよう。「チート乙」「女は別ゲー遊んでろバーカ」のようなチャット暴言を食らったりとある意味完全再現以上の雰囲気があるので、このシーンは気に入った。

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初代 MoH のような大戦中のステージもある。多少人間らしくなったグラフィックの兵士が喋りながら突っ込んでくる。武器が各世代ごとに異なるものが用意されていて、大体ハンドガン・ショットガン・サブマシンガン系の連射武器・ズーム機能のあるライフル・爆発物がある。無いものもあるが、性能差も激しいのであまり気にならない。何せ上の Quake 世界のハンドガンは1・2発で倒せるくらいに威力があって、弾道も素直で当てやすいのだが、ルガーのようなこの拳銃はサイトを覗いても当てにくいというか当たってくれない。当たってもなんか威力が低いような気もする。サブマシンガンも威力が低いので、結局サブマシンガンでバンザイアタックか、ガーランドのような銃で中距離からピシピシやるのがメインになる。勿体無い。なお、このガーランドも結構なズームをしてくれるわりに遠距離の精度がハチャメチャに悪いので、あまり意味を成さない。サイトからはみ出るくらいの近距離だと1撃で倒せる名銃になるが。

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そして唐突に始まるゾンビサバイバル。開幕から謎解きがあったりバルブが出てきたり、かなりヤケクソな世界になってきた。ゾンビが中々にしぶとく、攻撃範囲も妙に広いので、持てる武器を持ち替えてうまく戦う必要がある。前の世界の武器が使いづらいので、ここで弾をすべて使い切る感じでもいいかもしれない。オリジナル武器は右のでかいマシンガンで、連射が遅めなのであまり強くはない。弾は豊富にあるので問題ないがあまり気持ちよくはない。

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おいコラァ!

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これ知ってる!名古屋とかのやつだ!ここでは Quake 世界のガトリングの弾が補充されるので、撃ちまくる楽しみがある。連射できるインベーダーって簡単だなと思わせてくれるので、ある意味新鮮。このボスが存外に強く、ビームに当たらないように避けをメインにしたほうが戦いやすい。幸いにも他の敵は居ないので集中できるのがせめてもの救い。

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ステージとステージの間にはこういうゲームがバグったような Glitch 面があり、バグからバグに移動して次のゲームのプログラムに潜り込んでいるような感じ。こういう面では戦闘がないので、ジャンプアクションで次に進むだけとなる。原作ネタを持ってきているのだろうが、ゲームとして考えたときにはどうだろう?という気もする。文句はあとでまとめて記述することにする。

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剣と魔法のファンタジー世界に現代兵器を持ち込むオバサン。そしてしっかりと武器を持つ手は描画されない細かい演出と、「ここのふういんをとくには ほのおのけんがひつようじゃ」というクソめんどくさいフラグ立てを強要してくる世界。そしてそれに文句を言うプレイヤーの図。民家に近づくと「あんたにたのめることはないぞ」と聞いてもないのに暴言を吐かれる。この剣が割とこの後でも通用する威力なので、だんだんよくわからなくなってくる。

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ストラテジー世界で剣を振るオバサン。この上の緑ゲージが体力バーでちゃんと減ってくれる。4体まとめて編隊で出てきたり、相変わらず無駄にちゃんとしている。この世界では、ゲームバグがゲームを侵食してくるので、それから逃げる時間との戦いとなっている。敵の強さはそうでもないので、ほとんど無視しても体力回復が追いつく。ただし迷ったら結構危ないくらいの時間設定なので、移動の際にさらに先を見る余裕が欲しいところ。

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Hello?ヘローゥ?Halo?(原文ママ)。このあたりからストーリーが佳境に入ったな感が強くなってきて、敵の強さも格段に上がっているので、なかなか手ごたえのあるステージとなっている。今まで声をかけてきたキャラが軒並み死んでいるなど、概念はよくわからないが敵対勢力の力が強くなってきているらしい。だんだんよくわからなくなってきているのは、大体どのキャラも訛りが強く聞き取りづらいのと、戦闘がしんどいので文章を読んでいるヒマが無いからとごまかしておく。とにかく初期のゲーム世界に閉じ込められたから脱出しようという部分を抑えておけば良さそうだと投げの姿勢。

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スクランブルですね。残機制ではなく、死ぬと50点減点という親切設計だが、操作がキビキビしていないので、思ったよりも弾を避けられない。当たり判定もデカイのであまりレトロなプレイ感は得られない。左クリックで前、右クリックで対地ボムというテンプレ武器で、押しっぱなしで連射が可能。くれぐれも筆者のように連打してしんどい思いをしないように。ここでの得点が実績に絡んでくるのだが、別に詳しく書くことにする。

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最終面はバグ面。すべてのゲームがつながったバグ面となっているので、敵キャラやらアイテムがゴチャゴチャ入り混じっておかしなことになっている。「てめー何回やり直したんだバーカバーカ」のような暴言を吐かれ続けるので、子供のケンカ感がだんだん強まってくる。敵がまとまってスクリプトで湧いてくるうえに、地形が開けているので避けにくいこともあり、結構戦闘難易度は高い。あまり精度の高い武器が無いので、どうしても青いライフルに頼りがちになるが、弾が足りないので他の武器もチマチマ使っていくのがよい。やはりハンドガンが強い。

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このステージ途中で「そういえば弾無限のチートとかいいよね」といきなり弾薬が無限になる。こうなると爆発物最強伝説が始まってしまうのが FPS の宿命か。この緑の武器が左クリックで弧を描く爆弾を発射して右クリックで起爆なので、ひたすらに左クリックして右クリックという戦闘に早変わり。ラスボスもこの武器以外何で倒せるんだよという感じもあるので、これを使い続けることを推奨しているのかもしれない。最後のステージはかなり長いので、難易度以前にプレイヤーが疲弊すると思われる。ゲーム中の全ステージを使っているので、2回目のめんどくささのようなものを追加で感じるのは勿体無い。

 

ゲームそのものは単調かつ冗長

過去のゲームの雰囲気や世界観などを再現し、おそらく原作本の内容をしっかり盛り込めているのだろうと思われるのだが、ゲームプレイに活かされているかと言えばそうではないと言い切れる。

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基本的には謎解き要素のようなものはないので、敵を倒しながらステージの出口を目指すので、かなり単調。制限時間があったりボス戦があったりもするのだが、あまりシビアなものではないし、数も少ないので盛り上がりに欠ける。大戦ステージのボスなどは前の世界から持ち込んだロケットランチャーでさっくり落ちるので、達成感もあまり無い。難易度が高すぎないのはよいのだが、その分シナリオに集中できるかといえばそうでもない。大半が「難しい」ではなく「つらい」「めんどくさい」に分類されると感じられる。

何せ死亡理由の8割が「バグ面でのジャンプミス」、普通にやってれば敵と相対して撃ち負けることはないので、回復アイテムがあまりない地点で突っ込みすぎた場合くらいしか普通のゲームオーバーにはならない。そりゃあゲームのバグ部分に落ちたらキャラとしては消滅するだろうから、そういう措置がとられても仕方ないと世界観は理解できるのだが、「ゲーム」としてはちょっと前からやり直しでいいじゃないなぜゲームオーバーにするのと思いたくはなる。とにかくジャンプの回数も多くステージも長く、さらにジャンプが届くかどうかさっぱり読めないので、飛ぶ前にクイックセーブを強要される。ジャンプ中のしゃがみで高さは確保できるが速度がガクッと落ちるので、これもまたトラップのようないやらしさになっている。

ゲーム部分は避けて撃って悪くない出来、世界観はしっかりしていて昔のゲームの雰囲気なども再現できている。それなのにゲーム全体として合わさったときに微妙臭が漂うのは、設定を「ゲーム」として落とし込めていない点に尽きる。本や映画などならこれでよくても、遊ばせる上で問題となる点が多い。

各ステージ単品で見た場合には決して悪いゲームではないので、その辺が非常に惜しい作品。

 

実績に関するメモ書き

基本的にはプレイしていればセクションクリアごとに解除されるものがほとんど。

「Winners Never (Rage)Quit」… Chapter 6: Rage-Quit Reactor のラストで次元の裂け目に飛び込む前に、その先にある装置で爆発を停止させることでクリア。ついうっかり飛び込んでしまうと解除できないので注意。

「Killing Spree」…アリーナ面で5キルストリークを達成する。クリア後の武器アンロックがあると超ヌルゲーと化すのでその後でもよい。11キル以上しているときに死ぬとリスタート強要なのでここも注意だが、いくらでもこのチャプターからやり直せるので苦労はしないだろう。

「1337 b0mb4D33r」…Rescue Run で最低3500点を取る。これが最難関。ではあるがそこまで難しくは無い。

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問題は「at least 3500」と書いてあるのに3500点では解除されない点。このゲームで敵から得られる点がおそらく3610点かそこらであるので、2回死ぬと全部倒してギリギリというくらい。

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1回死んでこれなので、2回はかなり厳しいと言っていい。逆に1回以下に抑えられれば数体逃しても大丈夫だとも言えるので、とにかく撃ち続けて地面の敵も残さずにキッチリ倒すこと、どこで敵の攻撃がくるかを把握しておくことが重要。なので最低数回のプレイは必要となるはず。1体の敵のために50点の減点のリスクを負わないように、余裕を持っていくことが必要。

基本的に難しい実績はあまりないので、全実績解除派にも割とお勧めはできるのだが、3500点を必死に取って解除されないあのモヤモヤ感はアテナちゃんでなくてもキレそうになる。実績解除の条件文はちゃんと表記して欲しいという言葉で締めることとする。

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