[Review]One More Dungeon

タイトル: One More Dungeon
開発元: Stately Snail
パブリッシャー: Stately Snail
リリース日: 2015年11月23日

概要

ランダム生成されるマップを踏破していくローグライクFPS。FPSを謳ってはいるが、メイン武器が剣などの近接攻撃、サブ武器が杖での魔法攻撃なので、どちらかと言うとRPGを遊んでいる感覚に近いかもしれない。そして上下視点移動なしなので、プレイ感はものすごくストイックでよく言えばオールドスクール、悪く言えば華が無いプレイスタイル。下がって攻撃を回避しつつ射程の長い武器で殴る、敵の遠距離攻撃を左右に移動してよけながら接近して剣攻撃、などといった形。

アイテムも数は少なめで、即時回復ポーションやじわじわ回復するポーションなど、有用なものは限られている。アーティファクトなども数が少なく、入手経路も少ないので、使える使えないがそもそもよくわからないという状態でクリアまでしてしまうかもしれない。難易度を下げた状態だと本当に初期武器でもクリアできそうなくらいに難易度は下がるので、ある意味ではランダム性の排除のようなものだ。

武器の種類も決して多くはないというか、魔力を使わなくて済むサブウェポンのような扱いになっている。その分特徴ははっきりしており、手に入った武器をいかに活用するかが攻略の鍵にもなっている。射程は短いがダメージが固定で攻撃間隔が短い短剣、射程と攻撃間隔のバランスが取れてダメージが固定な長剣、攻撃速度などは長剣に準ずるがダメージ幅がある斧、ダメージは高いが多少バラつき振りも遅いが、比較的射程が長い槍。この中でもグレードがいくつかあり、中には状態異常として毒などを与える代わりにダメージが低いものなども存在している。狙って手に入れることは基本的にできないので、特性を把握しておき、手に入ったものを上手に活用するしかない。

敵を倒してもあまり意味が無いのだが、遠距離攻撃や不意打ちなどのリスクがあるので、倒さざるを得ない。敵によって射程や攻撃モーションの長さに違いがあるので、一概に下がりながら攻撃がベストかと言えばそうでもない。槍などの射程が長い武器ならある程度対応できるが、今度は接近戦に向いていない。逆に攻撃間隔が長い遠距離攻撃の敵にはダガー系を持って懐に入るということで対応もできる。というのは中盤までの話。

後半になればなるほど魔法石にゆとりができるので、強い杖で敵を近づけないことが最優先となる。ある程度近づくまで攻撃や移動をしてこないので、敵の位置を把握して、叩き込んで、逃げながら撃つ。壁に何かが当たる音がした場合は、マップ内のオブジェクトか、「敵の遠距離攻撃が外れて壁に当たった音」なので周辺を警戒する癖をつければあまり怖くはない。最大HPの伸びに比べて終盤のダメージ量が大きいので、あまり悠長なことは言っていられない。リスクを考えて早めに回復、というのは必須事項である。ただし回復の手段も限られている(ポーション・一部のアーティファクト)ので、何もない場合はビクビクしながらでも探し求めよう。木箱や敵から回収出来たら神に感謝しよう。

ボリュームは少ない

500円のゲームに求めることではないのだが、全8フロア+最終ミッションフロアという構成で、最短で駆け抜けると2分以下で終わるくらいの距離(実績もある)。もちろん鍵を持つボスを探して、出口を見つけるというものを成し遂げるのは難しいが、可能な範囲内ということでもある。難易度を下げた状態でクリアまでは5時間ほど。まだセオリーがよくわかってない段階のダラダラした感じだと4階くらいで飽きてくる感じだったので、そこがスムーズならもっと短くなるかもしれない。

公式PVでほぼ全要素出ちゃってるんだよね…とクリアしてから気づくくらいには内容が少ないのは間違いない。5階クリアで「Half way」と言う実績が解除されるので10階構成なのかと思ったら、実際は4バイオーム各2フロアで8フロア、8フロアを攻略すると「Сonclusion」が解除され、ここで「あれっ?」となった。9階ではモンスターが湧いてくるポータルをすべて破壊し、破壊し終わったら地上に戻るポータルが開くのでそこに入るというもので、ラスボスが不在。ここもまたあれっ?ポイントである。

半裸のオッサンがショップを開いていることもあるのだが、売り物はその辺で落ちている武器がほとんどであることが多く、あまり意味を成さない。またコインがヤケクソなレアアイテムに近いので、そもそも買い物できるケースが稀ということも。もちろん購入できれば有用なので、条件が合致しているならどんどん狙っていきたい。アクセサリ類などは店限定と言ってもいいレベルでレアなので、購入できればラッキーだ。まあそのアクセサリが使い物になるかどうかは別にして…だが。

コインはランダムで落ちている場合もあるが、基本的にはこのフロアに1個くらいあるポータルから移動できるくらーいエリアでの入手となる。トラップが多いが、コインやアーティファクトなどが高い確率で手に入るので、特に事情がない限り毎フロア入っていきたい。というか入らないと左下のステータスにある黄色いハート(Mind)が意味を成さなくなる。

Mind値を消費して何かしらの効果を得られ、基本的にはマイナスに作用しないので、回復系のアーティファクトが出たらクリアは近づく。

副作用としてはこの値が低いときは幻覚というか、視界が歪んで白黒になってしまう程度。敵を倒したり箱を壊したり、虫を潰すと回復するので気にせずどんどん使っていい。敵の死体をライフ回復オーブに変換するものなどは連戦を挟んだ方がむしろ良い。本当に「アイテムを拾う」「アイテムを使う」「敵を倒す」「フロアを探索する」以外の要素がないので、合う人は合うし、合わない人は絶対に合わないタイプのゲームではある。音楽もフロアごとに固定で耳障りではないが、全く印象に残らないと言ってもいいくらい空気で、何か音楽でもかけながらプレイする方がいいかもしれない。

仕様上のミステイクも

意図的なのかどうなのかはわからないが、中断セーブをするときに「このフロアでの進捗状況は失われます」と表示される。つまり、5階で中断セーブを行うと、4階クリア後降りてきた状態での再開を行うことができる。ここまで来てピンと来た人もいるかもしれないが、このシステムを利用すると「5階での結果が不服だったから中断してまたやるわ」とすると、また5階を4階クリア後の状態から、マップをまた自動生成させて探索することが可能になってしまうのだ。

これを利用すれば、「死にそうになったらやめる」「不意打ちを食らいすぎてアイテムが減っちゃったやめる」「いい武器が欲しかったけど出なかったからやめる」などローグライクにあるまじき行為ができてしまうのだ。もちろん筆者はそんなことは一切しないというかクリアしてから「そういえば中断ってどうやるんだ」と思い立ったところでセーブ画面の表示に気が付いた、というわけである。どうしてもクリアできない人はやってもいいかもしれない。バグでも何でもないし。もちろん死んでから(上の画面が出てから)ではダメなのは言うまでもないが。逆にちゃんと中断したいときはフロアをクリアしてから次のフロアで中断しないと、それまでの努力がパーになってしまうので、階段を下りてからセーブというローグライク必須要件をクリアしているとも言える。

ただ間違いなく面白い、ストイック寄りで自分の腕が試されるゲームなので、そういう不正を使わずにクリアしたときにはなかなかの達成感があるバランス。フロアごとに難易度がばらつき、1・2階と5・6階がかなり簡単だが、3・4階と7・8階がかなり難しいので、詰まるとしたら4階が一番多いと思われる。と言っても理不尽ではない、ちゃんと対処できる程度の難しさなので、ゲームとしては作り込まれていると感じられる。

コメント

  1. […] [Review]One More Dungeon ステータスに関わるのは主に装備品 […]

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