タイトル: ReignMaker
開発元: Frogdice
パブリッシャー: Frogdice
フランチャイズ: Primordiax
リリース日: 2014年4月17日
マッチ3+TD+街づくり=?
マッチ3パズルの前にまずは下準備。町ではバトルで使えるユニット生産や、魔法の開発などが行える。これらを購入・建設するために食料生産・木材生産・鉱石生産の施設をまず建設し、一定時間で満杯になる素材を回収する必要がある。人員を雇う時、拡張の条件のひとつである人口を増やすために食料を用いるし、ギアの生産には資源と資金が必要になる。資金だけは町では手に入らず、戦闘を経て稼ぐことになる。
また、タワーをクリア後、敵の○○を捕らえたのでどうしますか、などのマニフェスト選択画面が表示される。ここでの選択肢によって、例えば町の人口が増えるだけの小さな出来事もあれば、専門職を条件を無視して一人雇い入れられたり、本来20人が限界となっている枠にもう一人余分に追加できるなどのメリットがあることも。大体は大したマイナスの影響もないので、適当に選ぶことになる気もするが、少しでも楽をしたいという人は、いかにもな選択肢を選んで得することを願おう。
編成画面では、魔法を最大6個、兵士を2種、ギアを6個セットできる。これらは町画面で生産・研究をしておくことで選択肢を増やすことができる。魔法はセットした後、マッチ数を規定数溜めると発動が可能になる。敵を押し戻したり、指定のルーンを消したり、回復をしたりと様々な効果があるので、プレイスタイル・ステージに合ったものをチョイスしよう。兵士は攻撃要員・アイテム回収要員・回復要員など種々揃っているが、2種類しか一度に選択できないので、攻撃要員はあまり使わないかもしれない。ギアはは直接攻撃できるもの、足止めをするもの、攻撃を範囲攻撃にするものなどが用意されており、設置型のものは敵の進行によって壊されてしまう。
戦闘画面では敵が迫ってくるので、敵と同じラインを消して攻撃していく。消したルーンのあった位置に攻撃が発射されるので、横消しだと横に3発分、縦消しだと縦3マス分に1発分の攻撃が発射される。4個消しや一直線の5個消しの場合は威力アップではなくボーナスアイテムのジェムルーンが生成される。くの字の5個消しでは回復ルーンが生成される。通常では難しいが6個消しは形に関わらずボムルーン、7個以上消しの場合は盤面全てを一度破壊する強力なボムルーンを作り出すことができる。パズル自体で範囲攻撃、というのはボム以上限定になるため、中央付近での大連鎖などはまだしも、端のほうを攻撃するにはちまちまと整理しつつちょっとずつ当てる、という形になるだろう。
右下のこのゲージが敵の残りを表しており、全体のWave数が区切りに相当している。半分にも満たないうちに負けてしまうなどであれば、根本的なパズルのやりかた、敵への注意の仕方を工夫する必要があるし、ギリギリなら再度の挑戦であっさり突破できる可能性もあるということ。
消さなくてもギアでナイフ攻撃を行ったり、兵士による攻撃に頼ってもいいのだが、最接近されている状態で攻撃を受けると、画面左下の赤から緑のバーで表示されるタワーのライフが下がっていく。また兵士もダメージを受けるので、手間取っていると兵士が死んでしまっていて回収などを行えないという事態になる。そういう意味でもしっかりパズルを考えて、ここを攻撃するにはどうしたらいいかと、考えたプレイを必要とするフェイズである。
ただ、マップが広いステージの場合は、割と気にせず大連鎖が発生し、魔法をぽんぽん発動できるようなシチュエーションになるので、消しやすいマップほど面白い。縦一列消しやランダムで20ルーン破壊など、盤面に広く影響する魔法を使うと、敵が画面内に入ってこれないうちに一網打尽に出来るレベルで攻撃が激化する。
全体的にかなりマップのつくりに影響されるので、影響されにくい状況を作るために、街づくりで様々な対策を作っておくことが重要になる。魔法は最重要項目で、これの施設のために資源をためておくことが攻略の重要ポイントであることはおそらく間違いない。ギアはオマケ程度で、兵士も一部は予備を大量にストックしておくことが大事になるくらい。ただこう言う見極めは実際にこの戦闘を繰り返して初めてわかることなので、気づきを産むという点でよくできているのかもしれない。
ちなみにこの画面ではランダムで資源が貰えるクエストが表示される。達成しても雀の涙ほどにしかならないが、ゲーム中で資源が貰える貴重な機会である。どうしても手持ちにないギアを要求されたとか使えない魔法を要求されたとかでない限り、とりあえず狙っていくのがベター。達成するとものすごくやる気のない声で「おっそーむ(awesome)」と言ってくれるぞ!どうしてここまでやる気のない声なのかはわからないし、最初は何なのかさっぱりわからなかったくらいの唐突なボイスだが、とにかくマイナスにはならないので、ぜひクリアしたい。
要素のシナジーがまるでない
まず、あくまで街づくりは戦闘準備の前段階までの役割しか果たしていない。つまり「実質街でなくても何でも良かった」システムであるということ。これがレベルアップ式で覚えて行ったり、クリアごとに魔法がアンロックされる方式でも何ら変わらない。ただ時間をかけて収穫を待ち、使用量と比較して全くたまらない木材と格闘する必要などそもそもない。施設のレベルアップに使いたいので、貴重な資源を割いてガジェット類を生産するなど勿体なさ過ぎるのだ。つまり街づくりでやるべきことと言えば、基本的に放置しておけということになってしまう。
ではマッチ3画面ではどうだろうか。ここで稼げるのはほぼ資金だけということになる。資金で何ができるかと言えば、単独で出来るのは研究くらいなもので、それ以外の建設・生産では素材も必要となる。パズル画面で4個消し・5個消しをがんばったところで、実質的にどんどん余剰になる金が手に入るだけ。一定時間ごとに左上に表示されるクエストをクリアしても一桁の資源が貰えるくらいなもので大した意味はない。「ダミーを5個設置しろ」のようなものはそもそも割に合わない。これが例えば10,000,000のようなゲームであれば、木パネルや石パネルを消せば消すほど素材がたまるし、ダンジョンに潜る繰り返しにも意味があるのだが、こちらは本当にステージを進めるためにクリアする、という意味合いを脱していない。
一応初めてステージをクリアしたときは少しだけ素材が貰えるのだが、必要量とは一つ桁が違うので、どんどんいくぞ!というほどは貰えない。「街づくりをしなければいけない」匙加減になっている。最終段階では各種1000必要となるのにクリアで100前後くらい、各種施設でキープして置けるMAXが150くらいなので、定期的にゲームを起動しないと全くもって足りない。ステージクリアしても意味がないので、素材が足りない場合は時間をかけなくてはいけない。
面倒くさいので街づくりをしないでそのまま進めればいいのではないか?となるが、かなり厳しい戦いを強いられることになる。使いたいユニットは、ドロップ品を回収してくれるキャラと、ヒーラーの2種以外はどうでもいいのだが、それらを生産するには施設のレベルアップ・食料の生産と資金確保が必要になる。作れなければ自分で5個消しやクリックで代わりをこなすしかない。ただでさえ敵のラインとパズルを合わせないといけないのだから、それをこなすには難易度が上がりすぎる。
また一番の問題点がこんな感じで「パズルが詰む」ことがあること。これを回避するために魔法を開発しろと言われているようなもの。先述のように、敵が現れるラインを消さないとダメージを与えられないため、最上段・最下段の敵を攻撃するにはかなりのテクニックを要する。縦一列消す魔法やルーン入れ替えの魔法を駆使しないとクリアすら覚束ない。ただし、使えるからと言って魔法をぽんぽん使ってしまうと、いざ詰んだ時に対応できない。発動には一定数のマッチ数を必要とするためだ。
個人的に一番難しかったのがこのステージ27のこの形。斜めに段になっているところは2方向にしか動かせないので、平気で詰む。最上段などはほぼ猶予がないレベルの消しづらさなのに、平気でそのあたりに敵がやってくる。これを消すには何かしらの魔法が必須だということは言うまでもない。魔法を使うにも既定のマッチ数を溜めなければならないのだが、その使用量に達するまで消すのも一苦労なのである。さらにはこの形だと6個消し以上のボムも作成するのが難しいので、先のことまで考えて消していかなければならず、コンボの爽快感も全くないステージ構成なのも痛い。
よくできているのに…
全体的に見ると出来自体はかなり良い。コンボを決める爽快感もあるし、仮に詰まっても時間さえかければ楽にできる救済措置もかなりあるので、クリアできないということもないし、テクニックでカバーできる範囲も広い。それだけにそれぞれに相乗効果がないのが悔やまれる。ステージクリアで十分な素材が手に入るのであれば、時間をかけて街を放置しなくてもよくなるのだが、残念ながらそこがそうなっていないため、独立した作業感が否めない。クエストで素材がもう一桁多くもらえたり、敵を倒すごとに素材が手に入るなどがあれば…・
サウンドや演出面が弱いものの、マッチ3パズルとしては出来がいいので、たまに起動して遊ぶという感じのプレイスタイルがお勧め。5時間ぶっ続けのようなプレイはあまり適していないと思う。そういう意味ではスマホ向けなゲームデザインのような気もする。
コメント