[Review]Serious Sam’s Bogus Detour

タイトル: Serious Sam’s Bogus Detour
開発元: Crackshell , Croteam
パブリッシャー: Devolver Digital
リリース日: 2017年6月20日
「Serious Sam」の Croteam と「Hammerwatch」の Crackshell が夢のコラボ。2Dトップダウンシューターとして Serious Sam の新作が登場。
Mental 軍に立ち向かう Sam が敵の本拠地へと向かっていく道のりを描いている(超適当)。辿っていくと月面基地に生物兵器の実験場があり、そこからポータルを通じて送り込んでいることを知り、施設を破壊することを試みる。
なんていうストーリーはあってないようなもので、とにかく敵をぶっ殺せという言い回しで大体合ってるのが SeriousSam シリーズである。とにかく大量に出てくる敵と、それを蹴散らす大火力は 2D 画面になっても健在で、シリーズ経験者ならニヤリとしてしまう演出もちらほらとあるので、感覚は違えどシリーズであると認めざるを得ない。

基礎部分は高い完成度のゲームプレイ

基本的な流れはもはや説明不要なレベルで基本的なもので、先に進むと敵が押し寄せてくるので倒す。倒したらフラグが立つか、もしくは先にあるキーカードを手に入れることで先に進めるようになる。という繰り返しで、難しい謎解きなどは基本的には存在していない。今作では敵の拠点から近く、敵が高度な技術を持っていることもあり、地雷原やジェネレーターを用いた電源によるシャッターなどでルートを限定している。このジェネレーターを破壊するときにも敵が大量に湧いてくるので、壊せばいいと簡単に言うが激しい戦闘が始まるトリガーにもなっている。
画面右上のサングラスが残機で、サングラスアイテムを手に入れれば一つ増える。また難易度によって初期ライフが異なる。画面下の緑の四角はスペースキーで行う緊急回避の回数を表す。時間で回復し、Perkで回復時間を早めることも可能。ただ、高速移動はできるもののダメージは通常通り受けるので、ロケットに突っ込んで死んだりもする。これのおかげでKamikazeの突撃をかわしやすくなっているので、緊急回避というより短時間高速移動として使うべきだろう。
シリーズ初というか別物なので同列には語れないが、敵を倒したりシークレットを発見すると経験値がたまり、レベルアップすることで Star を獲得できる。またはステージに規定数落ちている Star を拾うこともできる。この Star を消費することで、Sam の能力を伸ばすことが可能なのがこのゲームの最大の特徴になる。ハンドガン強化や近接攻撃強化などのほか、跳弾やリロード速度向上、停止時の射撃や近距離での射撃でダメージを向上させるなど、様々なシチュエーションでの性能アップができるので、自分のプレイスタイルに合わせてスキルを伸ばしていける。またレベルアップ時に HP もある程度回復するので、劣勢時に思わぬ逆転劇があったりするのも面白い。
近距離戦の Gnaar では節約してショットガン系を使い、Kleer には引きながら minigun か Laser を撃ち、ジェネレーターやボスなどにはダメージの大きい Cannon や devastator を使っていくなど、状況に応じた武器選択がカギとなるのも本家と変わらない。今作ではハンドガンの Perk を伸ばし切ると貫通する上に連射も効く強武器に化けるなど、今までと異なる武器選択も面白い。個人的には Laser が最初から出る上に威力も高めで、Perk取得で着弾時炸裂して周辺の敵に微ダメージの効果が出ることもあり、最初から最後までメインとして使っていた。2D 画面ということもあり、敵が重なるように出てくるとこういう武器が相性がいい。逆にロケットランチャーが当てづらく、しかも自爆の恐れも 3D 時より高くなっているので終盤までほぼ使わなかった。確実に安全が確保された状態や、ボス戦での高 DPS に期待して使うくらいか。
また、最初から Steam の Workshop に対応しており、マップエディタも付属しているなど、MOD や追加マップなど遊び方に幅があるのもポイントの一つ。このあたりは Hammerwatch や Serioussam シリーズで培われたユーザに丸n…新しい遊び方の模索を委ねることで成功したところから継続されている。発売したばかりかつセール対象になっていないので、現時点ではまだ少ないが、今後まだまだ伸びていくだろう。

良くも悪くも「Hammerwatch」らしい

「これは何か」と言われれば間違いなく「SeriousSam」だと言えるのだが、「これはSeriousSamか」と問われれば「違う」と言う。確かにキャラや敵などは SeriousSam のものだし、効果音なども本家そのままなので Sam 感は出ているとは言える。しかしマップデザインやギミックなどは Hammerwatch の悪い点をそのまま引き継いでしまっている。詳しくは Hammerwatchのレビューの項を参照してほしいが、簡潔にまとめると「一本道にするかアイテムや敵で誘導すればいいのに、わざわざ複数のルートを作って往復させることでプレイ時間を稼いでいる」ような印象になる。本家の Sam ならルートで迷うということは無いのだが、こちらでは左右に分かれていて、右に行ったら本来先に左に行くべきだったというケースが多い。ご丁寧に枝分かれしていたりもする。またこちらではシーケンスブレイクは基本的に許していないので、いけない箇所は完全封鎖かトゲを配置して殺しに来ている。
シークレットやレベル上げで Star が手に入ると先に書いたが、それを探してうろうろしたり、後からドアが開いて取りに戻るという場合も同じようなルートを戻らなければならなかったり、ミニマップもなしでウロウロすることになる。取れなかったからといって致命的な痛手にはならないが、2作品目なのに成長してないなと言わざるを得ない。
また地雷原という設定がSamらしくない。ストレートに言ってしまうとクソ要素。Kamikaze などを引っかけて倒すこともできるといえばできるのだが、そんなものを SeriousSam に求めていない。このエリアに入るとちょっとずつ動いて出現したらピストルで撃つという作業を強要させられる。踏むと25ダメージなので Serious 難易度だと2回踏むと死ぬ。通常時でも4回で死ぬ。そしていざ除去しようと思ってもギリギリの範囲で爆発させないとダメージを受ける(重要)。下手をするとステージにおけるダメージの大半が地雷除去時の余波ということも有り得るくらい数が多い。ちなみに Serious 難易度だと感知範囲がさらに狭くなるので、どの距離で撃ってもダメージを受ける。避けるしかないのだ。上の画面を見てもらえばわかるがかなりの重労働になる上に、端のあたりでは敵の出現地点に近いので敵も撃ってくる。プレイがスローテンポになる上にとにかく不利なので、こんな要素は不要だ。

「撃って避けて倒す」以外は不満点多し

繰り返しになるが「ベースの部分の出来はかなり良い」。その点については不満はほぼないと言える。マップデザインなどはユーザ製作によるマップ如何でかなり改善される余地があるので、今後化ける可能性は十分にあるので、基本的にはお勧めといえる。ただし、いわゆるバニラの状態だとノーマルで1回遊んだらもういいかなと言う評価にとどまる。もちろん各種シークレットやイースターエッグも多く存在しているし、ゲームモードも色々あるのでマルチプレイで残機無限の高難易度などをプレイするのも楽しみのうち。しかしセールが来ないことには本当に人がいないので、現状機能していない部分が大半である。
サーバリストで何か出てきた試しがまだないので、勘弁してほしい。
あと個人的に高難易度の Serious が「これ知らない人が作ったな」感丸出しで、思いの丈をぶちまけるには1エントリでは足りないくらいなので、別エントリでやることにした。
とにかく、発展途上のゲームであり、すぐに買うほどの価値があると手放しで言える状況ではない。しかしながら本家よりも手軽に遊べて、マップ製作のハードルも 2D なので低いため、もしかすると 2Dトップダウンシューターの定番になるようなポテンシャルも秘めている、と感じさせる一品であることは間違いない。

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