タイトル: Zombie Driver HD
開発元: Exor Studios
パブリッシャー: Exor Studios
リリース日: 2012年10月18日
思ってた感じじゃなかった
疲れたときに起動してゾンビをひき殺してイエーイ!なゲームだと思ってたら、思ってたよりストーリーモードで求められることが多かった。レースモードとゾンビを倒すだけのモードもあるのだが、とりあえずストーリーを先にクリアし切ったらそんな感じの感想になった。
ゲームの中心部分はゾンビブーンドカーンなのだが、そこに至るまでとミッションが終わるまでがそうやって楽しむだけの展開ではない。車の性能や武器の性能がイマイチな間は特にそうなりがちで、中盤を過ぎるといろいろできるようになるし、マップも覚えてそれなりにスイスイ進めるようにはなる。決してつまらないとか難しすぎるということは無いのだが、不便さが目立ってしまうというのが正確なところか。各ミッションの報酬を見て、セカンダリボーナスが金だけの場合は無視して進めた方がストレス面から考えてちょうどいい。
ゲームの出来が悪いとかそういう話ではないが、基本操作の部分からちょいちょい不満を感じる点があるという感じ。難易度曲線がしっかりしているし、少しずつ解放される要素がゲーム進行に彩りを添える。ただ武器はもうちょっと早い段階で解放されて欲しかったところはある。まあ元々がただのタクシードライバーという設定な部分から来ているのだろうが、最初のうちはかなり苦労する。このあたりは高い性能の車を最初に使えるDLC部分を活用させてもらった。あれがないとかなり苦しいというかストレスのたまる序盤戦だった可能性は高い。
「車」である厳しさ
そう、車なのだ。サイドステップなどできないし、ゾンビと同じような速度で下がりながら撃って下がるゾンビゲーの定番の動きも出来ない。手動ジャンプもできなければ、隙間からグレネードを投げ込んだりも出来ない。車体が長ければ急旋回も難しく、狙いをつけるのも一苦労である。挙句の果てには急カーブでスリップして横転する。一般市街なのでカーブとビルが多く、マップも狭い範囲しか見えないので覚えるまではぶつかってはバックして方向転換、カーブごとに減速して…というプレイを強いられることになる。こういう点が評価を下げた一因になっていることは否定できない。
一部のミッションではたくさんの人間を救出しなくてはならないので、その人間が乗れるだけの大型機か、往復しても制限時間に間に合うようなスピードを確保しないと厳しい。タクシーが気に入ったからずっと乗りたい、なんてのは縛りプレイでしかないのである。ステージによっては割とシビアな設定だったり難易度だったりするため、選択の自由はあまりないと言ってもいい。
だからクルマだって
レースゲームである。ノリはマリオカートなどと大して変わらないやつで、武器による妨害や体当たりによるダメージをお見舞いしつつ、1位を目指すというシンプルなモード、「も混じっている」。このレース以外に、相手の車をどれだけ破壊したかのポイントを競うELIMINATORモード、ゾンビや障害物を壊してボーナスタイムを貰いつつ長時間走り続けるENDURANCEモードなど、レースがむしろ変な感じの印象を受けてしまうものが勢ぞろい。
各種レースを10点満点で競い、規定のスコアをクリアするとブロンズ・シルバー・ゴールドメダルを獲得できる。最初のうちは簡単だなーと思う程度だが、最後のランクはもうやってられないくらいシビアな設定なので、ゾンビを倒してスッキリ!みたいなことに一切ならないままひたすらにクリアを目指した結果、もうやりたくないという遺言を残して倒れてしまったのであった。大体の実績も取ったしもうこれでいいよ勘弁してである。
一風変わったゾンビゲーが遊びたいなら
プレイングとしてはかなりテクニカルな要素を要求されるので、PVとか世間一般の評価でいうゾンビをひき殺すゲームがやりたい、っていう一見さんの需要にこたえられるようなゲームではないと思う。ただ、車の操作に慣れ、マップも覚えてスイスイと動けるようになれば変わってくる。轢いてはいけない緑色のガスゾンビを避け、遠距離攻撃してくるゾンビの攻撃をバックでかわし、強化したレーザーガンで敵が湧いてくるオブジェクトごと一網打尽にする、といったプレイを楽しむことができるようになってからが本番。それだけに序盤のとっつきづらさと、尖ったレースモードと、ひたすら耐久するモードの味気無さが勿体ないと感じられる。
とにかくゾンビを倒したいという場合はこのSLAUGHTERモードで遊ぶことになるだろうが、これはこれでなかなか難しく、常に湧いてくるゾンビに対応しなくてはいけないので、割と神経を使う。得られるものもハイスコアランキングくらいなので、サッと遊んでやめるというようなモードでもないのもマイナスか。
なんかもっとシンプルなつくりにして、特殊なバギーみたいなのを操作して左右移動ができたりとか、弾薬無限のピストル採用などはできなかったのかというところはやっていてずっと思うことなので特に気になる。
特にこういうイベントというか、住民を救い出すエリアでのイベントは「そのエリア内のゾンビを一掃してくれ」なので、弾がないとどうしようもないのだ。近辺に武器がいくつか時間湧きするようにはなっているが、後4体、とかになると体当たりをしたくなるが、している間に次のウェーブが入ってきたりもするので、遠距離攻撃をしたくて仕方ない。
ただ、そういう部分で不満点はあれど、難易度が高すぎず、不便すぎず、目標も明確でわかりやすいという点から割とスタンダードな部分は多い。それだけに尖った部分が勿体ないかなというくらい。各種バンドルの定番だったり、コンプリート版でも大して高くないので、ゾンビを主観でパンパン撃つだけのゲームに飽きたとか、なんか変なレースゲームがやりたいとかそういう妙な需要には応えられる部分がある変なゲーム…と言えるかもしれない。
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