タイトル: Retro City Rampage™ DX
開発元: Vblank Entertainment, Inc.
パブリッシャー: Vblank Entertainment, Inc.
リリース日: 2014年11月11日
どこかで見たネタが満載のパロディゲーム
ゲームの内容自体は2Dのレトロゲーム風GTAといったところ。トップビューだったGTA1・2と比べて見た目はさらにレトロで、代わりにジャンプなどの要素でプレイの幅が広くなっている。ミッションをクリアしてシナリオを進めていくモード、自由にオープンワールドの世界を探索するフリーローミングモード、チャレンジのハイスコアを狙うチャレンジモードなど、ゲームモードも豊富に用意されている。
市民を殴ったり車を奪ったり、武器をそろえたりファッションを整えたりと、細かいところも大体イメージ通りの作品。レトロゲーム風なので残酷な表現もなく、破壊なども物足りないが、その分さっくりと遊べる手軽さに勝る。警察の追跡もさほどでなく、警察や民間人から警察メーターをリセットするアイテムがドロップするため、思ったより追われている時間は短い。そういう意味でもストレスなく手軽に破壊活動が楽しめる。警察車両は前に出てくるとか囲ってくるとかでなく突撃してくるので、ライフを削られたり動きを止められたりと多少厄介ではある。銃撃などより体当たりが恐ろしいゲームバランス。
ストーリーとしては、雑な募集に応募した仕事(銀行強盗)に失敗し、逃げている最中に怪しげなタイムマシンに乗ってしまう。到着した先で、上の画像のどう見てもドクっぽいジジイに出会う。このジジイがタイムマシンを修理してくれるというので、プレイヤー(キャラ名)はミッションをこなしパーツを集めていく、という実質ストーリーなんてものはないようなレベルだ。
メインミッションがストーリー進行に関わるパーツ集めだが、それ以外のミッションやハイスコア獲得を目指すチャレンジなども随所に存在している。ハイスコアはランキング形式でフレンドと競い合ったり、世界ランクなども表示されるのでやりごたえは十分。ただし、steamのランキングで見られる数字とゲーム中の数字は別のようだ。一例としてランク7と出ているこれはsteamのグローバルランキングで見ると36位と37位の間のスコアで、さらにランキングにも載っていない。個人でモチベーションを高める程度だと思っておけばいいかもしれない。
パロディ源泉かけ流し
何せ冒頭で断言しているほどなので、どのくらいネタがたくさんなのかは予想できるだろう。
そもそものストーリーモードにビフマンとかいう謎な存在がナチュラルに出てくる。ビフモービルにまたがってマスクをかぶってるアイツは何ビフなんだ…。ちなみにこのステージに限らないが、追跡ミッションや見つからないように進むスニークミッションが随所に出てくるので、個人的にはそこが不満でストーリーモードをあまり遊びたくない気持ちになる。失敗してもすぐに再開できるのであまり気にならないとも言えるが、自分のペースで遊べる破壊系ゲームなだけにここだけ「遊ばされてる感」が強くなってしまうのはもったいない。
そのスニーク面でもしっかりパロってるので、その辺も含めてネタなんだろうなというのはわかる。逆に言うとこれだけパロディで固めて1本のゲームに仕上げたこの人(個人製作らしい)の努力が凄い。操作性もいいしやり込まなくても楽しいし、やり込み要素もハイスコアや収集等十分すぎるほど用意されている。
ハイスコアも純粋に実力勝負になるものもあるが、近接武器で民間人をシバいて高得点をたたき出せ!系には問題がある。車を叩き続けて壊すと500点くらい入るので、それだけでゴールドメダルを達成してしまう。もちろんライフも減るのだが、1台なら余裕なレベル。これに気づいてしまうと途端にチャレンジが面白くなくなる。人一人踏みつけると1点が入るストンプチャレンジもオープンカーやバイクを踏みつけると2点入るので、こういう稼ぎに気が付くかどうかというのが難易度に関わってしまう。基本的にはフリーモードで街をガッシボカッするゲームだという認識でいいだろう。ガチでしゃぶりつくすようなゲームではないのは確か。
音楽も操作性も良く、軽いゲームでオマージュも豊富。純粋に見下ろしアクションゲームとしても出来が良いと感じられる。
設定もバリエーション豊かで、画面モードだけでも古いテレビ風、走査線入り、どう見てもゲームボーイ、古いCMYカラーのPCゲーム風などがあり、そういうのが好きな人にはたまらない一品。なお音量設定は弄っても起動するたびに通常音量で再生される(設定は保存されている)という不具合?があるようで、毎回起動時にうるさい思いをしているような気がする。
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