タイトル: Tennis in the Face
開発元: 10tons Ltd
パブリッシャー: 10tons Ltd
リリース日: 2015年11月18日
言うまでも無く先月取り上げた「Baseball Riot」の関連作だが、こちらのほうが前編なのである。その割にこちらのほうがパズルとして出来がいいのはどうしてなのか。
ごり押ししにくいちゃんとしたパズル
例えばこのステージ。ボールが3個なので、敵の左2カ所のガラスを割ってもクリアとはなるのだが、手数を余してクリアしたときの王冠が貰えない。それ以外の手段でクリアするとなった場合、敵の右側の爆発物に何かを当てて、左のボールを当てるという形になることはすぐに予測できる。そこに当てるにはどうするかという形でゴールから考えるパズルらしさがこの作品にはある。
解法としては、右のブロックに当てて跳ね返し、初期位置左上のボール筒を破壊する。すると上にボールが射出され、ガラスが割れて最上段のボール筒が落ちてくる。落ちたときに左右に射出されるので、四角い爆発物が爆発し、右の棒を吹っ飛ばす。この棒が右の長い棒に跳ね返って落ちてきて爆発物に当たり、その爆発でボールを敵に当てて1個クリア、となる。右のブロックに当てていないと棒が下まで落ち、右に棒を吹っ飛ばす際に通り過ぎてしまうという、まさしくパズルになっているのである。
もちろんごり押しができないわけでなく、気が付いたらクリアしてしまっていたみたいなパターンもあるし、規定の打数でクリアするにはどうすればいいのかすらわからない場合もある。ただ、ステージを見渡して、ああこれはこうすればいいんだろうなと予測ができるステージが多いというのが、続編にはあまり見られなかったような気がする。
また、この作品ではボール以外に弧を描いて飛び、静止したら爆発するドリンクを射出するステージがある。このドリンクは強さも制御可能なので、ひょっとして続編は退化してるんじゃないかと思うくらいしっかりした作りになっている。それもこのステージではすべてこのドリンク、というわけでなく、1打目や2打目限定など、制作者がこういうルートで攻略しろと前もってしっかりと解を用意していることを匂わせているのも高得点。
バットよりテニスがお勧め
ゲームの進め方はほぼ同じなのに、こっちの方が面白いと感じられたのは、おそらく「明確な答えがありそう」感を感じられたからだろう。いろいろ弄ってさっきよりちょっと良かったとか、そういう手探りで進めるのではなく、どうやって打てば綺麗に終わるのかという道筋を考えられるほうが楽しい。ゴールから逆算して考えられるというのはこういうゲームにおいて重要。
同時にバンドル入りしたので、Fanatical のRecoil bundle を買った人には両方遊んでもらいたいところだが、単品買いするのであれば、迷わずこちらのテニスのほうをお勧めする。「物理パズルアクション」として、やり込み勢にも、適当にステージクリアしてすぐやめてまた明日というスタイルでも、どちらでもやり込めるし間口も広い、このジャンル内での良作といって間違いない作品。
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